「標準報酬月額」とは、
給与から控除される社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)の
元になるものです。
「標準報酬月額」× 保険料率=(健康保険料、厚生年金保険料)になります。
「標準報酬月額」には「等級」というランクがあり、
一番低い等級「1」は 「月額」が88,000円です。
月額が大きくになるに従い、
例えば月額が「20万円」の場合は、等級は「14」になります。
月額が「20万円」というのは、
給与がきっかり20万円の人が該当するのではなく、幅があり、
195,000円以上、210,000円未満の間に該当する場合です。
なので、給与が195,000円の人でも、209,999円の人も
月額は「20万円」となり控除される保険料は同じになるというわけです。
(電車の運賃表のようなものです、遠くへいけば行くほど運賃が高くなる。
でも一区間の運賃=次の駅までではなく、その間2駅ほどある、というような)
では、
この「標準報酬月額」はどのように決められるかというと、
入社時に、給与、通勤費、諸手当等、
固定して支給される賃金の合計額で決められます。
もし給与が19万円、通勤費が1万円、計20万円であれば、
月額は「20万円」ということになり、
この「20万円」に厚生年金保険料率9.091%(H29.8月現在)
をかけると18,182円になり、以降毎月控除されます。
*健康保険料率は加入する健康保険によって異なりますが、
厚生年金保険料率は同じです。
自分の「標準報酬月額」がいくらなのかを知る場合には、
給与明細書の厚生年金保険料の金額を見て、
保険料額表から逆にたどっていくとすぐにわかります。
入社時に決まった「標準報酬月額」で、
社会保険料はずっと控除されていくわけですが、
毎年4、5、6月の給与の平均値を出して(=算定基礎届)、
その増減で「等級」に変更があれば、
9月から適用(=10月控除)となります。
そこから一年その新「月額」に保険料をかけた
社会保険料が控除されるので、
4、5、6月は残業をしないほうが良いと言われるのはこのためです。
意図的に残業時間をコントロールできる人なら可能でしょうが、
4月は昇給の時期でもあり、
期末で忙しい3月の残業代が支給されるタイミングでもあり、
なかなか難しいです。
給与はずっと同じ額ではないので、
どこかで見直してその額にあった社会保険料を
徴収する必要があるわけですが、
その時期を4、5、6月と
一年のうちで給与額が膨らみそうなタイミングに合わせた制度ですよね。
給与明細書を見て、
もし控除された厚生年金保険料額がいつもと違っていたら、
「標準報酬月額」が変更になった、ということです。