妻の生命保険料は夫の年末調整で控除できるのか?

2022/11/18

年末調整

t f B! P L

もう年末調整の時期になってしまいましたね。


いつも今度こそはちゃんと準備しようと思うのに今年もまた日々雑務に追われせっぱつまった状況での作業となってしまいそうです。


育休中で今年一年だけ夫の扶養となる従業員(妻)の生命保険料はどっちで?

さて表題の「妻の生命保険は夫の年末調整で控除できるのか?」ですが、現在育児休業中で今年の年収が百万円にも満たない従業員が(今年だけ)夫の扶養となり年末調整をすることになりました。


その時に質問されたのが「私(妻)の生命保険料は夫の年末調整で控除できますか?」でした。


私は「生命保険料をあなた(妻)が支払っていれば、夫の年末調整で控除は出来ない。もしその生命保険料が夫の口座から引落しになっていれば出来るだろうけど、【誰が払っているか】がポイント」と答えました。


国税庁のQ&Aを見ると


A(夫)がその保険料を支払ったことを明らかにした場合は、生命保険料控除の対象として差し支えありません。


 生命保険料控除は、居住者が一定の生命保険契約等に係る保険料又は掛金を支払った場合に総所得金額等から控除することができます(所得税法第76条第1項)。この生命保険契約等については、その保険金等の受取人の全てがその保険料等の払込みをする者又はその配偶者その他の親族(個人年金保険契約等である場合は、払込みをする者又はその配偶者)でなければなりませんが、必ずしも払込みをする者が保険契約者である必要はありません(所得税法第76条第5項、第6項)。

 したがって、保険契約者が保険料を支払うのが通例ですが、契約者の夫であるAが支払ったことを明らかにした場合には、Aの生命保険料控除の対象となります。

 なお、保険料を誰が負担するかによって、将来受け取る保険金の課税関係が異なる(贈与税又は一時所得として課税が生じる)ことに注意が必要です。


とあります。長いし難しい説明になって後半はグレーな感じです、でもやはり【誰が払ったか】がポイントなことは間違いありません。


上↑の私の職場の例で言えば、これまで妻は従業員として毎年生命保険料の控除を受けていた、つまり妻が支払っていたということは明らかで、育休中の一年間だけ夫の扶養となり夫が支払った、、、というのは無理があります。


収入が少なかったから夫が支払った、という理屈はこねられますが、翌年はまた妻の生命保険料として控除するのです。おかしいですよね!


でも【誰が支払ったのか】がポイントなので、夫が「私が支払った」と言えば夫の年末調整で控除できると思います。

妻が扶養となっている妻名義の生命保険料控除は確認せずに年末調整している

例えば、夫の年末調整で扶養となってる妻名義の保険料の控除をするのは一般的ですよね。でも実際本当に夫が支払ってるのか、夫の口座から引落しになってることは確認せずに当然のことのように控除しています。


なぜなら夫が【自分が支払った】と申告してるからです。扶養となってる妻が専業主婦だったり収入が少ないというのもあって特に確認したりせずに控除してるのが実態です。でも実際はどうなのか、、、、は実務担当レベルでは確認はしていません。


逆に上↑の例でその夫が私の職場の従業員で妻をその一年だけ扶養とし、妻の生命保険料控除を申請した場合はどうするか?


国税庁が『A(夫)がその保険料を支払ったことを明らかにした場合は、生命保険料控除の対象として差し支えありません。』とあるように、夫の年末調整として控除しただろうと思います。


でも私が従業員である(妻)への回答としては【誰が支払ったか】が正解だろうと思います。


「税務署が調べることはないから夫の年末調整として控除してもらえば」などとは言えません。



以前、20歳をとうに過ぎた親と同居してる子供(扶養にはなっていない)の社会保険料を支払っている従業員のことを書きましたが、


これも【誰が支払っているか】がポイントで、これは誰の口座から引落しになってるか確認しました。


もし扶養になっていたら(子供が30歳であったとしても)そこまでは確認しなかったと思います。


同居の上、扶養となっていればあやしいな、無理があるなと感じても【自分が支払っている】と申告されればそれまでで、控除するのが一般的だろうと思います。


私もそこまでエネルギーを使う余裕はないし、、、、限りなくグレーですね。


なので結論は【誰が支払っているのか】がポイントですが、実務レベルでは「妻の保険料は自分(夫)が支払っている」と申告すれば通ると思います。


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pataです。小さな職場で経理・給与等が主な仕事です。ひとり業務なのでいつも調べつつ、悩みつつなんとかやっています。書いたことが少しでもお役に立てれば幸いです。

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