退職後も健康保険に加入していれば「傷病手当金請求申請」は可能
(タイトルは退職後に傷病手当金を初めて申請するのではなく、「現在受給中で退職後も」の意味です)
ズバリ結論から先に行きます!
退職後「傷病手当金請求申請」が出来るのは
①退職日に傷病手当金を受給している
②退職後も健康保険任意継続被保険者、国民健康保険加入者であること
上の2点ともに当てはまる場合です。
①の意味は、例えば退職が9月末だとすると、7月から受給開始した場合は
7,8,9月と連続して受給していることが条件です。
以上です(笑)
(以下はこの記事を書くことになった経緯です。興味があれば読んで下さい)
始まりは現在休職中で傷病手当金受給中の従業員から問い合わせ
小さな職場なので「傷病手当金請求申請」はあまり発生しません。
2、3年おきくらいにある程度なので、その都度以前の資料をひっくり返して読んだり、ネットで検索して確認したり、
それでも不確かなことは健康保険組合に確認して手続きしているのが現状です。
そのめったに発生しない「傷病手当金請求申請」がここ数ヶ月間続いていました。
一般的に休職する場合、就業規則で勤務年数等によって認められる期間が異なります。
私の職場のその該当者(Aさん)の場合は6ヶ月間でした。
その期限が近づいてきた時Aさんより
・退職後も傷病手当金受給は可能か?
・その場合あとどれくらいの期間受給できるのか?
という問い合わせがありました。
私がこの職場に入社直後、退職後も傷病手当金を受給している従業員がいて、引継ぎもなく、また手続きについても無知ですごく大変な思いをしたことは過去記事に書きましたが、
その後、従業員が入院で休職、傷病手当金請求の手続きをしたことはあっても、「退職後も」という手続きに最初からかかわったことがなかったので健康保険組合に確認してみました。
退職後の「傷病手当金請求申請」について健康保険組合からの回答
最近傷病手当金受給が「期間」ではなく、「通算」で1年半に変更になったこともあり、「あとどのくらい?」という問いに健保が答えてくれるのか?
もしAさんが過去(前職)に同じ病気で受給期間があった場合どのような扱いになるのか私では判断できなかったこともあります。
あまり深く考えず、Aさんから問い合わせのあった「受給が可能か?とあとどれくらいの期間」というそのままの表現で健康保険組合に聞いてみました。
そうしたら担当者より上の①②の回答をもらいました。
私は退職後も健康保険の「任意継続」が必須だと思い込んでいたので、「国民健康保険」加入でもOKというのを初めて知りました。(←2年前に調べていたのにすっかり忘れてました.笑)
まずこれが条件のひとつですが、①のニュアンスはもっと重要でした。
「傷病手当金請求申請」は職場復帰を前提で申請するもの
①の意味を考えていた直後、健康保険組合のエライ人から電話がかかってきました。
あまり深く考えずAさんから聞かれた通りに問い合わせした「退職後も受給が可能か?」という表現に対し、そのエライ人から念を押されたのは
請求申請は出来るが、受給はその申請内容の審査によるもので、必ずしも請求申請=受給できるものではないという意味でした。
もちろん意味はわかります。こういうのって表現が重要ですよね。私もウカツでした。
それと「傷病手当金請求申請」は職場復帰を前提としたもの、ということも念押しされました。
「退職日に傷病手当金を受給している」という条件の意味
Aさんの状況について詳しいことは書けませんが、最初に問い合わせのメールを読んだ時、退職後も傷病手当金を受給したいんだな出来れば長く、というのを感じました。
それで私が(深く考えず)そのままの表現で健康保険組合に問い合わせしたことで、同じように伝わったのだろうと思います。
で、これは問い合わせに気軽に伝えちゃいけないなとわかったので、Aさんには①②の条件を伝え、「受給の有無は審査の結果によるものなので、あとどれくらいの期間というのは答えられない。」
「ルールでは受給期間は通算で一年6ヶ月となっている」とだけ回答しました。
Aさんとしては、退職後も受給できる、その期間がどのくらいあるのかを確認して辞めたかったのでしょうが、そういうことなのでこれは難しいです。
というのも
例えば11月末で退職する場合、12/1以降も傷病手当金請求をしたい場合は11月中も受給していなければなりません。
請求申請から受給まではタイムラグがあり、11月分なら12月に健康保険組合に請求申請をし、審査が通ったとして早ければ1月末に受給となりますが、場合によっては請求が認められず11月申請分は不可となった場合、12/1以降の申請は出来なくなるという意味がひとつ、
11月末で退職する時点では11月の請求申請の審査が通るかどうかはまだわからないという意味もあります。
「傷病手当金請求申請」が健康保険組合でどのように審査されるのかわかりませんが、本当にこの被保険者は職場復帰を目指しているのか、そのために積極的な治療を行っているのかとかチェックしてるんだなと感じました。
これまでAさんのようなケースがが無く、スンナリ申請が通り受給、復職というパターンだけだったので、ちょっとドキッとした体験でした。