「賃上げ促進税制」とは何か?
今朝上司より「賃上げ促進税制」の資料を作るようにとのメールがありました。12月の四半期決算で計上するのだそうです。
以前「所得税拡大促進税制」という似たようなものがあり、資料を作った記憶があったのですが私は要求された給与データを出すだけで、最後は上司がまとめていたので(今の上司とは違う)今回はある程度の調べが必要となりました。
まず「賃上げ促進税制」というのは、
『大企業および中小企業等において、一定の要件を満たした上で、前年度より給与等の支給額を増加させた場合、その増加額の一部を法人税等から税額控除できる制度』
のことで、前年度と今年度の賃金の比較が必要になり、また、その税額控除額も「大企業」と「中小企業」で異なるようです。
「賃上げ促進税制」の比較でデータを集計する際の注意点
前年度と今年度の賃金の比較でのアップ率なのは理解しましたが、どのような条件の従業員の賃金が対象となるのか、ならないのかとかいろいろと疑問がわいて来て調べてみました。
経済産業省のQ&Aにも一通り目を通しましたが、平易な表現ではないため完全には理解出来ませんでした(泣)↓
「賃上げ促進税制」
https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/syotokukakudaisokushin/syotokukakudai.html
とりあえずは私に必要な疑問だけを調べ、その結果を箇条書きにしてみました。
・前期と今期の賃金の比較(4月~3月)
・対象者は雇用保険加入者(正社員、パート、アルバイトの区別関係無し)
・前期、今期とも在籍していてフルで(継続雇用)賃金支給している人
・対象期間中の途中入社、退職者含まず
・社長、役員、役員兼従業員は含まない
・通勤費含む
継続雇用者に該当しない例としての産休・育休等の休職の場合、
経済産業省のQ&Aで(私に必要な情報なのに)理解できないことがありました。
それはQ12「継続雇用」とはの回答です。
他の回答を読み進めながら、産休・育休等で給与不支給期間は対象となるのか?という疑問がわきました。
対象期間中フルで支給していない、給与不支給期間があるので対象とはならないだろうと思いつつも、回答の文面を読んでちょっと不安になったからです。
そこには『(ただし、休職していても「産休・育休手当」等、給与等に含まれる手当が支給されてる場合には、継続雇用者に該当します』
とありました。
ウチの事業所では産休・育休中は給与不支給で、その間健保や雇用保険から出産手当金や育児休業給付金の支給を得ています。
この場合どうなるのか?
「給与等に含まれる手当金が支給」とあるので、これはそういう給付金のことではなく、事業所として何等かの手当を支給してるという意だろうと思いつつも、不安だったのでこれだけは税理士事務所に確認してみたところ、
やはり「給付金等は含まない」という回答でした。
なのでこの対象期間中に産休・育休中で給与不支給だった従業員は「継続雇用者」ではない、ということです。
同じ理屈で、例えば休職して傷病手当金を受給した期間がある従業員も対象とはならないということになりますね。
「賃上げ促進税制」でどれだけの税控除が受けられるか?
ウチの事業所の場合(少人数なのですが)資本金が1億円を超えているため、「大企業向け」となり
・継続雇用者の給与支給額が前年度比で4%以上増加の場合→25%税額控除、3%以上増加で15%税額控除となるようです。
4%以上の増加というのは
例えば
前期の給与支給額が5,000万円
今期の給与支給額が5,200万円
だった場合(5,200万円-5,000万円=200万円の増)
この増えた200万円÷5,000万円=0.04→4%増加
となるようです。
う~ん、ウチの事業所は増加するのかな?
(※私個人が調べたことですので、正確ではないことも含まれているかもしれませんので、その点をご理解の上、もしお役に立てれば幸いです)