【傷病手当金】任意継続した場合の『延長傷病手当付加金』とは

2022/01/24

給付金 社会保険の改正

t f B! P L

傷病手当金に関する改正

2022年1月からの傷病手当金改正について以前記事にしましたが、年末に健康保険組合から一部変更の通知がありました。

------------------------------------------

変更点 傷病手当金の支給期間について


<現状>同一の傷病等について支給開始から1年6ヶ月の範囲で支給する


<改正後>同一の傷病等について支給開始から通算して1年6ヶ月間支給する


改正後の規定は、令和3年12月31日において支給開始から起算して1年6ヶ月を経過してない傷病手当金(※)について適用


令和2年7月2日以降に支給開始した傷病手当金について適用

----------------------------------------------

病気やケガで一定期間の入院や治療で全快となれば良いですが、その後も治療で休業せざるをえず、給与が支給されない場合、この手当金が支給されるというのは心強く、病気をかかえながらでも仕事をしていけるようになるのは良いことだと思います。



傷病手当金は退職後も継続受給できる

十数年前この職場で働き始めた時、脳出血で入院中の従業員がいました。症状が重く、改善の見込みが無かったのですでに退職扱いとなっていたのですが、


家族が高齢のお母さんしかいないため(気の毒に思った上司が、本人がすべき手続きを)会社が(つまり私・・・)行うと約束したらしいです。


私は引継ぎも何もなく、給与計算や社会保険手続きはブランクがあり、まして手当金請求なんてしたことがないのに、それをやらされるはめになり、


当時健康保険組合はベテランの強者揃いで親切に教えてはもらえず四苦八苦したことが忘れられません。


そんな記憶からか当時の資料が捨てられず、ふと思い出して見返すと一枚のメモに目がとまりました(初めて見た)

訳も分からず、イライラしながらやっていたので、よく読んで理解するという余裕がなかったのですが、


今さらですが読んでみると、


発症後傷病手当金を受給、支給期間の1年6ヶ月を待たずに退職となり健康保険を任意継続し(傷病手当金の受給も継続となった)、

残りの受給期間を終えた後、再びそこから1年6ヶ月の支給が開始、但し健康保険の任意継続は2年間のため、その期限をもって傷病手当金の支給は終了となったようです。


当時傷病手当金申請は、私は第8回目から担当、最後が第22回目でした。(ざっと見ても36ヶ月分はありそうでした)

当時なぜこんなに長く受給できるのかとか不思議にも思わず、面識のないその従業員やお母さん、健保の担当者とのやり取りがストレスで大変だったという記憶しかありませんでした。


今は多少経験を積んだので、あれ?これどういうこと?と疑問がわきました。



健康保険の任意継続後に『延長傷病手当付加金制度』というのがある

いろいろ検索して調べて、まず確認したのは


・傷病手当金受給中に退職、その後健康保険を任意継続した場合は(在職中から)通算して1年6ヶ月間に達するまで受給できる。


例えば、在職中の傷病手当金受給期間が1年間分であった場合、任意継続後は残りの6ヶ月間分受給できることになります。


これは協会けんぽ、健康保険組合も同じです。


ただ(協会けんぽはどうかわからないのですが)私の職場が加入する健康保険組合では、任意継続後残りの受給期間を終えた後、そこから1年6ヶ月間分受給できるのは今も同じで、それを「延長傷病手当付加金」というらしいです。


今回の通知書の最後にその一文がありました。

他の健康保険組合のHP等を見ると「延長傷病手当付加金」6ヶ月というのが多く、加入する健康保険組合によって異なるのだと思います。


そしておそらくですが、その「延長傷病手当付加金」がいくらなのかも健康保険組合によって違うのかもしれません。


任意継続後も新たに1年6ヶ月分受給できるとはすごく手厚くてびっくりしたのですが、これは現状であって健康保険組合の運営状況によっては今後は少なくなる(もしくは無くなる)かもしれません。


任意継続後の傷病手当金は直接本人の口座に振り込まれたためいくらだったかはわかりませんが、すごく助かっただろうなと思いました。やっぱり働けなくなって一番心配なのはお金のことです。

私が訳も分からずやっていた中で今も忘れられないのは、傷病手当金申請の医師証明欄の記載に「安定した」という表現があり、健保の方から「どういう意味ですか?」と聞かれ、

それに回答するために施設に電話をかけ、どう聞けば良いんだろう?とオドオドしながら、対応したスタッフに従業員の家族でもないのにと不審に思われつつ(そういう気配を感じました)、引き出した答えは「症状が固した」ということでした。


今ならもっと要領よく聞けますよ、健保から「安定した」=「良くなった」のではないかと指摘を受けたのですが、どういう意味でしょうか?と。


でも当時はなぜそう聞かなくてはいけないのかも健保の担当者に聞き返すことが出来ないくらい、誰にも頼れずオドオドしていたのです。


「症状が固定した」は、これ以上改善の見込みがない、良くならないという意味だと、後々何度も繰り返し思い出すうちに理解しました。


発症後一日も復職することなく、重い症状のまま退職、リハビリ施設に移動後も回復しかなったその人のことをその時やっと気の毒だったと思えました。


「延長傷病手当付加金制度」=「傷病手当金」支給満了後、延長して支給される給付金

・私の職場で加入する健康保険組合では「延長傷病手当付加金制度」の場合も通算して1年6ヶ月支給するとありましたが、他の健康保険組合では通算せず「傷病手当金」支給開始から3年を限度とする、と書いてあるところもあり、健康保険組合によって異なるようです。


author

author
pataです。小さな職場で経理・給与等が主な仕事です。ひとり業務なのでいつも調べつつ、悩みつつなんとかやっています。書いたことが少しでもお役に立てれば幸いです。

ブログ アーカイブ

このブログを検索

QooQ